それでは、首都圏の中で、どこからどう手をつけていけばいいのだろうか。スクール開発の具体的な指針を示す戦略的なスクール開発構想が欲しいところである。しかし、そんな都合のいいものがあるはずがないのが現状だ。たくさんお情報を得て、思考錯誤を繰り返しながら、少しずつ生まれてきたのが今の構想である。
経営陣が最初に示したのは本社構想である。これは、首都圏、特に東京西部の新宿・渋谷・池袋のいずれかに本社を置くということであった。札幌本社のすべての部門をスクール内に置けば、経営陣は毎日校内を見て回れるし、企業との商談にも便利だろう。遠距離から来られる会員のためにも、主要ターミナル駅前にあれば、そう遠くに感じない。
もう一つ経営陣が示したのは、旗艦店構想である。新しい市場で展開していくためには、まず認知度を高めなければならない。Atlasマンツーマン英会話はテレビや雑誌などのマス広告を使わないので、スクールの存在そのものが認知度を高める広告塔の役割を果たすことになる。その意味では、にぎわいがあり、何かと話題で、知名度が高く、売上も生徒数も講師数も地域1位というのが旗艦店構想である。
そのような条件を満たすエリアは日本では限定されてくる。まず考えられるのが、東京新宿・渋谷・池袋・品川・東京駅周辺である。これらのエリアでは、これからも高層マンション開発が付近で進み、人口も増加している。
現在、横浜LSが現在の全国旗艦店ということだが、もし東京都内にLSができれば、首都圏広域から会員を呼び寄せ、会員および会員予備軍を一気に獲得できるだろう。
もう一つ、展開構想のエリアとして考えられるのが千葉・さいたまである。住宅、飲食店、事業所が集中しており、東京開校後の次のエリアとしては非常に魅力的である。
東京の下町である江東区や大田区は極めて人口密度が高く、商圏人口は第1次だけで500万人あるので、もし、千葉やさいたまの主要ターミナル駅周辺に開校すれば、Atlasマンツーマン英会話の中でも売上高ランキング、会員数ランキング上位に入ることは間違いない。
以上述べた本社旗艦店構造が都市型開発構想とすれば、これは韓国やヨーロッパにあるような大規模エンターテイメント型語学スクール構想である。韓国では、ソウルから車で30分の場所に「コリア・イングリッシュ・ビレッジ」という大型語学系テーマパークがある。英語以外にも中国語や日本語、ヨーロッパの言語も学べ、飲食や宿泊施設も整っていて1年中こどもから大人までにぎわっている。
また、福島県南部にある「ブリテッシュ・ヒルズ」はパスポートのいらない英国のキャッチフレーズを決まり文句に語学学習施設を運営している。福島原発の影響について気になる部分は隠せないが、緑豊かな田舎に突然できた学習施設である。福島原発のこともあり、単独では行けないような場所にあるが学校単位のグループ学習には最適な場所であろう。
このような、Atlasマンツーマン英会話では構想が初めからあったわけではなく、日本全国さまざまな情報を収集し、その場所を実際に見に行って、その企業の社長と話をしている中から、少しずつ生まれてきたものである。 |