アジア英語と言っても、発音や表現方法は国ごとに違う。ビジネスなどでやり取りするには各国の特徴を知ることから始めるべきだ。
1 東南アジアの英語(シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナム・インドネシア)
シンガポールは英語、マレー語、中国語などが公用語になっているが、共通語としての中国語の影響が強いシングリッシュが普及している。
マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムでは英語は公用語ではないが、シングリッシュを使う人が増えている。しかし、タイではタイ語が英語とミックスするほか、インドネシアやマレーシアでは"R"の発音が巻き舌になるなど各国で独自の変化を遂げている。発音や表現に慣れれば、日本人にはわかりやすいだろう。
2 フィリピンの英語
アメリカ英語の影響が良い、東南アジアでは特殊なフィリピンだが、タガログ語と英語を公用語とし、小学校から英系科目は英語、文系科目ではタガログ語と2言語で教育を行っている。
タガログ語の影響が強い人もいるが、企業のコールセンター集積地なため、比較的なまりの少ない英語を話す若者もいる。日本人にもわかりやすい。
3 インドの英語
公用語はヒンディー語だが、英語を準公用語と位置付け、日本の小学5年生から必須にしている。イギリス英語の影響を受けており、メールや会話にもクィーンズ英語のような格調高い、文学に出てくるような文語調の表現を用いたがる傾向がある。
発音はヒンディー語特有の音やアクセントがある。英語は流暢だが、早口の傾向があるので日本人は聞き取りに苦労するだろう。
4 中国の英語
英語は中学校から必須で、英語教育に熱心な家庭も多い。中国語は英語と言語体系が似ていることもあり、初級者でもリズムよく話す人も少なくない。意見をはっきり言う習慣があるので、英語のスピーチやディベートが得意。
メンツを重んじるので人前で怒るのは厳禁。個別に論理的に説得するのが大切。日本人にはわかりづらい。
5 韓国の英語
公用語は韓国語だが、1993年の「グローバル化なくしてウリナラ(我が国)は生き残れない」と、小学校3年生から英語が必須となった。幼少時から親子留学するなど語学学習に熱心な家庭も多く、英語をネイティブレベルに話せる帰国子女も増えている。サムスン、現代、LG、SKなど財閥企業の多くがTOEIC SWテストを義務づけている。 |