18歳で一人でアメリカ留学に行った体験談を話します。2000年の春、地元の都立高校を卒業したばかりだった僕は、一人で飛行機に乗り、アメリカへ旅立ちました。成田空港まで見送りに来てくれた母と別れ、飛び立った飛行機の中、ポケットの中ですでに電波が届かない携帯のメール着信のバイブレーションが鳴っている錯覚を感じるほど、寂しかったのを今でも覚えています。
ハリウッド映画が大好きだった僕はカリフォルニアの大学に留学をすることに決めたのです。サンフランシスコ国際空港に着き、そこから200キロも離れたデイビス市に向かう電車の中、待っていたのは行っても行ってもどんどん田舎になり、周りに山と木々以外何もなくなっていく風景でした。
デイビスという小さな町の駅で降りる予定だったのですが、田舎に行けば行くほど周りの景色が全く変わらなくなっていき、駅に着いた時に車掌がアナウンスする駅名を必死に聞き逃さないようにしていました。
英語もろくに理解できなかった僕が何とか大学にたどり着き、それから4年間必死に勉強をして、なんとか授業についていき、多くの素晴らしいアメリカ人の友達に出会うことができました。18歳になってから初めて約4年間の長期滞在したアメリカですが、そこで得た学業の知識、文化、友人たちから学んだことは、僕自身の思考や人格の基礎を作ってくれましたし、人生を変える経験ができたと思っています。
これを書いている2017年現在、日本の先行きは閉塞感に包まれ、個人個人も言葉で言い表せないような窮屈さを感じています。日本だけにいると、一つの社会しか見えないため、漠然と社会に対してや人間関係のあり方、また受験のあり方、キャリアの作り方などおかしいと感じていても、他国や他の文化と比べて本当におかしいのか?何がどれくらいおかしいのか?といった対照軸を持つことができません。
しかし海外に出て、別の文化、社会の中で生きることで、日本のおかしい部分を客観的に見定めたり、逆に日本の素晴らしい部分を発見したりすることができます。例えば日本では、「何か目標がある、何か夢がある、こんな仕事がしたい!」という希望などがあっても、「まずはつまらないことでも一生懸命やって一人前になれ!そうすれば、いずれやりたいことができる」 とを言われ、基本的にやりたいことやらせてもらえません。
逆にアメリカでは、何かやりたいことを人に言うと、「それは素晴らしい!君ならできる!」 ととりあえず言われ、みんなが最低でも口では応援してくれるので、自信がなくてもやってみたいことは飛び込んでいくことができます。
これはほんの一例ですが、アメリカに留学することで、日本ではなかなか見られないおおらかさや適当さ、懐の深さを体験することができます。このように留学をしてアメリカを知ることは本当に素晴らしいことですが、 もちろん留学をしたいと思いたってから、準備、渡米、そして実際に大学の授業を生き抜いていく中で、不安になること、怖くなること、どうすればよいか分からないことはたくさんあります。
僕自身も留学をする意志を持ってから、一人で色々な資料を集め、日本で英語の勉強をし、留学準備、渡米、そして大学では2年間で約200単位をすべてA+の成績で乗り切ることができましたので、これからアメリカの大学に留学したい人、すでに留学が決まっている人、渡米したばかりの方に僕の体験を少しでも役に立てていただけるように、この文章を綴りました。
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